オートレフのデータがない状態で視力検査をするコツ

視力検査
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視力検査はオートレフで測った度数を参考に測ることが多いです。
オートレフが測れないとき困りますね。本を開いて「自覚的屈折検査」の欄をみると
はじめにS+0.5Dをかざして見やすくなるか聞きますと書かれてます。

これってどういうこと?

オートレフのデータがない状態で、視力検査をするコツをまとめました

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S+0.5DとS-0.5Dをかざすってどういう意味?

裸眼視力を測ったあとに、矯正視力を測るときに使う方法です。
S+0.5DとS-0.5Dをかざして、どちらが裸眼の状態より見やすくなるかを聞きます。S+0.5Dの方が見やすくなれば目の度数はプラス(遠視)かな?S-0.5Dの方が見やすいと答えたら、目の度数な近視(マイナス)かな?と考えます。

目の度数はゼロ(近視も遠視もない状態)を基準に考えます

視力検査をするときは目の度数がプラスの度数かマイナスの度数かスクリーニングしてから度数を動かしていくのです。これが自覚的屈折検査の基本です

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この方法を使うのはオートレフがとれない時

目の度数がプラスの度数かマイナスの度数かスクリーニングしてから度数を動かしていくのが視力検査の基本と言いましたが、オートレフで目の度数を測れるときはどうでしょう?

オートレフは目の度数が「マイナス」か「プラス」か教えてくれて、さらにだいたいの目の度数はこれくらいですよと教えてくれます。たとえば、レフがS-3.0Dと出れば、目の度数は近視(マイナス)だとわかるし、さらにS-2.0D~S-3.0Dくらいの度数かな、と予測もできます。レフがS+3.0Dなら、目の度数は遠視(プラス)で度数はS+4.0D~3.0Dくらいかなと予測できます

レフのデータがあると大助かりです

オートレフでデータが測れるときは、S+0.5DとS-0.5Dをかざしてどちらが裸眼の状態より見やすくなるかを聞きく必要はないです

じゃぁ、どんな時にS-0.5DとS+0.5Dをかざすっていう方法を使うの?




答えはオートレフがとれない時です

オートレフがとれない、オートレフの信頼度が低い時に「S+0.5Dをかざして・・・」の方法を使います

オートレフラクトメーターの信頼値
オートレフラクトメーターとは目の度数を測る機械です。眼科でよく使う検査の器械ですね。何気なく毎日測っているオートレフラクトメーターですが、測定結果に度数の信頼値が書いています。信頼値の見方を知って眼科検査レベルアップしましょう!オートレフラ
オートレフが参考にならない時ってどんな時?
オートレフが測定できない
エラーばかり出て、たまに測定値が出る
オートレフの信頼値が低い
オートレフの値がバラツいて度数がわからない
→S+1.0D、S+3.0D・・・など値が安定しない
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本に書かれている方法をまとめました

本にはレフが測定できない時どうしたらいいか、どう書かれているか調べてみました

裸眼視力値が比較的良好(0.1以上)な場合には、検眼枠に+0.5Dを、裸眼視力が不良な場合には、+1.0Dのレンズを検眼枠に挿入し、指標が見やすくなったか否かを問う。見やすくなった、あるいは、変わらなければ、挿入したレンズ度数よりも強い遠視があることが推測される。・・・(中略)・・・最初にプラスのレンズを用いたときの質問で、見づらくなったと回答された場合には、遠視の存在は否定的であるので、マイナスの検眼レンズ度数を徐々に強めて、最良視力値をもたらす絶対値が最弱のマイナス球面度数を求める
。この状態は、乱視がなければ、完全矯正状態であり、乱視が存在すれば、最小錯乱円で矯正された状態である
参照|眼科検査ガイド・眼科診療プラクティス
まず初めに弱度凸レンズ(+0.5D)を用いて遠視系または正視、近視系かにふるい分けを行う。このとき、調節の介入を防ぐために凸レンズから行う。
参照|視能学エキスパート・視能検査学
(2)まず弱い凸レンズ(+0.5Dくらい)を入れ、矯正視力が低下すれば遠視でなく近視を考えて、凹レンズを漸次強め、最高視力の得られた最弱度の凹レンズ度を求める。・・・(中略)・・・(2)で弱い凸レンズを入れても矯正視力が低下しなければ遠視を考えて凸レンズをさらに強めていき、最高視力の得られる最強度の凸レンズ度を求める。
参照|視能矯正マニュアル
弱度の凸レンズ(+0.5D程度)を入れ、矯正視力が同じか良くなれば遠視、低下すれば近視を考える
参照|目で見る視力・屈折検査のすすめかた

難しい言葉で書かれていますが、まとめるとこんな感じです

初めにS+0.5Dくらいのレンズを入れる
見やすくなるか見え方が同じくらいなら遠視の可能性大
見にくくなれば近視の可能性大→S-0.5Dを入れて見やすくなるか聞く

教科書の通りには測れない

レフの信頼度が低かったり、レフがとれないときにこの方法通りにできるのか???

実際は、教科書通りにはいきません

だって、そもそもレフがとれない人って、視力が悪い人なんです
視力が悪いからレフがとれないんです
見にくいからオートレフが取れない場合が多いんです

レフが取れない人は視力が悪い人だと書きましたが、間違ってました。すみません。レフが取れないときは視力が出にくい時や小瞳孔の時です。小瞳孔とは、瞳孔が小さすぎてレフが取れない場合ですね。この場合は、視力はよく見える可能性があります。

ケース①
目の度数がS+0.5Dで裸眼視力が0.2
S+0.5D入れて見やすいかきいても、たぶん答えは「見え方は同じ」です

目の病気がなくてS+0.5Dの人なら裸眼視力は1.0くらい見えるはずです。裸眼視力が0.2ということは目の病気で矯正視力が出にくくなってているかもしれないと想像できます。

ケース②
目の度数がS-7.0Dで裸眼視力0.04
この人にS+0.5Dかざすと・・・・教科書通り「見にくい」というでしょうか?
自分自身が近視が強い人なら、想像しやすいと思います
私自身S-11.0Dという強い近視がありますが、S+0.5DとかS-0.5Dとか、、、自分の度数よりすごく弱い度数を入れられても見え方になんの変化もありません。
S-7.0Dくらい入れると

あー、なんとなく見えるわ

そう思います。

網膜に近づくとハッキリと見えてきますが、網膜に遠いところでは少し度数を入れたくらいでは見え方に変化はありません

教科書の方法は理論的には正しくて理想ですが、実際に測ってみると

教科書どおりにはいかないなぁー

そう思うことがあります
教科書は正しいんだけど、もうワンステップ必要なのです

私がしている実際の視力検査のコツ

私が実際にしている方法を紹介

S+0.5D→S-0.5D→裸眼、比べてもらって1番見やすいのはどれか聞きます

今からレンズ二つ入れますね。もし、見やすい感じがしたら教えてくださいねー。いきますよ。

・・・これが1番(S+0.5D)、これが2番(S-0.5D)・・・これ、(レンズが)ないの。どれが見やすいとかありました?もう1回するよー。同じなら同じで大丈夫ですよ

無理に1つ答えを言わなくてもいいということを説明します。

同じ見え方なら同じと教えてくださいね

どれも同じだわ

 

そう言われたら、S+1.0D→S-1.0D→裸眼で同じようにくらべてもらいます

やっぱり全部同じ見え方よ

つぎ、S+3.0D→S-3.0D→裸眼

レンズ変えてくれてるの?変わらんなあー

S+5.0D→S-5.0D→裸眼

これはS-5.0Dの方が見やすい気がする・・・・

そこで度数の図を思い出してください

S-3.0Dでは見え方は変わらなくてS−5.0Dで見やすくなったということは、もしかしたらS−4.0Dかもしれないし、S−7.0D、S−10.0D、S−14.0Dかもしれません。

ここで、−5.0Dより度数が強いか弱いか、可能性が高い方から探っていきます

私はS-5.0Dより強い可能性が高いと予測しました

どうして-4.0Dより-5.0D以上の方が可能性が高いかというと、もし-4.0Dなら-3.0Dを入れたとき「少し見やすい」というはずだからです。

S−5.0DとS−7.0D→同じくらいか7.0Dが少し見やすい
S−7.0DとS−10.0D→S−7.0Dが見やすい

S−10.0Dは見にくいとう答えだったので次はS−7.0DとS−8.0D→同じくらい

ということは、だいたいの度数が絞れてきました

基本的に度数はプラスよりで考えるので
S−5.0D~S−7.0Dか、、、S−8.0Dまでということがわかります。

この場合だと私ならS−5.0Dを入れて、そこからS−7.0DかS−8.0Dくらいを目指してマイナスを0.5Dステップで上げていき、視力と見え方を聞きます。聞けそうならS-5.0DとS-6.0Dどちらが見やすいか聞いてもOKです。その辺は、ケースバイケースです

S−5.0D → 0.1
S−5.5D → 0.1見やすくなるけど、わからん
S-6.0D → 0.2
S−6.5D → 0.3
S−7.0D → 0.3
S−7.5D → 0.3
S−8.0D → 0.2

採用はS−6.5Dです

患者さんが答えることができそうなら、0.25ステップでS-6.25がいいかS-6.5かS-6.75か聞きますが、視力が悪い人は0.25D入れてもあまり変化がないことが多いし、患者さんも疲れてしまいます

初診のときはこのくらいにしておいて、再診のときに6.5Dを基準に前後してだ患者さんのだいたいの度数をつかんでいくといいと思います

1度でぜーんぶ測ってしまおうと思わなくてもOKです

ワンポイント
視力が出にくい人は測りにくいですが、患者さんも答えにくいのです。なので、しつこく「見やすい方は?」「ハッキリする方は?」など答えを求めようとせずに「わかる範囲でいいですよー!」「もし見えそうやなーと思ったら教えてくださいね」など気楽に答えてねーという雰囲気をだして、ザックリでいいので、だいたいの視力を測れたらよし!だと思います。1.0見えるのか0.1も見えないのか0.3?0.7?このくらいがわかればオッケーという気持ちで検査しましょう。検査技師さんのピリピリ、緊張は患者さんに伝わります

ベストのS面を調べて何がわかるか?

乱視がない場合は矯正度数、乱視がある場合は最小錯乱円の場所がわかります
乱視がある場合は、S面ベストから雲霧して乱視を聞く必要がありますが、説明量が多すぎるので今回はここまでにします

乱視表を使って乱視を測るとき、雲霧方法と雲霧量の考え方①
乱視表を使って乱視を測るとき、雲霧方法と雲霧量をどう考えればいいか 第1回S 面で最高視力を出す→雲霧する→乱視を測るのが基本の考え方です乱視を測るときの目の状態をイメージしてみよう乱視を測るときの焦線と最小錯乱円をイメージするとこんな感じ
https://hatenatome.com/how-to-check-astigmatism-2/
https://hatenatome.com/how-to-check-astigmatism-3/

まとめ

  • レフの信頼度が低いときに、S面プラスとマイナスをかざして遠視があるのか近視があるのかスクリーニングを行う
  • 近視(遠視)がありそうだなと思ったら、ざっくりとどのくらいの度数がベストか探る
  • ざっくりと度数がわかったら、できる範囲で1番見やすい度数を見つける

どうしてレフがとれないのか、オートレフがとれないときはどんな病気があるか考えることができればいいですね

参考にした本
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