「眼科初心者さん必見!視力の見かた・視力ってなんだ?を解決する」で0.01が見えないときの視力の表し方として、手動弁、指数弁、光覚と書きました
今日は
0.01が見えないとき、手動弁・指数弁・光覚の視力ってどうやって測るの?
をお伝えします。
視力が0.01が見えないとき、なんとなく測ってるけどやり方あってるのかな?
そう思ってたら続きを読んで参考にしてね
0.01が見えないときは、まず手動弁を測る
0.1の字ひとつ視標が50センチで見えなかったとき、手の動きがわかるかを確認します。
視力は見えないところから見えるところを測るのではなく、見えるところから見えないところに向かって測ります。
視力0.01が見えなかったら指数弁を測るのではなくて、どうして手動弁を測るの?と思う方もいると思う。
これは私の経験と考え方なので、参考程度に聞いてくださいね。私は視力を4つのグループに分けて考えています。
②0.01~0.09 字ひとつの単独視標で測る視力
③手動弁・指数弁
④光覚があるかないか
この①~④のグループのなかで見える視力から見えない視力を測って、「見える」と「見えない」の境界である視力値を探すようにしています。
0.01が見えないときは③グループになるので、手動弁から確認して、手動弁が見えれば指数弁を確認します。
これは考え方の問題です。実際は0.01見えないとき、指数弁を測って、指数弁がわからないとき手動弁を測る施設もあると思います。どちらの方法でも間違いではありません。
手動弁の測り方
手動弁は手の動きがわかるかどうかを調べる視力検査です
②縦か横どっちの方向に手が動いているか答えてもらう
③答えることができれば手の距離を5cmにして①②と同じことをする
④わかれば10cm→15cm→20cmと距離を伸ばしていく
④で30cmでも手の動きがわかれば、指数弁が分かるかの検査をします。指数弁も眼前2~3cmからはじめて、少しづつ距離を離していきます
今、私の手が動いてるの、わかりますかーーー?
うーん。ちょっとなんか動いている気がするのぅー
縦方向と横方向、どっちに動いてます?
縦に動いてるわ
(少し手の距離を変えて)じゃぁ、これは?
こんな感じで視力検査を進めています。手を動かすときはゆーーーーっくり動かします。
手動弁を測るときのポイントは遮蔽の方法
手動弁を測るときに気をつけたいのが、測っていない方の目の遮蔽の方法です。
視力が見にくい場合、顔を動かすと見える場合があります。
そんなときは見やすい場所で、顔を動かしてもらって測ります。
真っすぐ前を向かずに顔を横に向けて視力を測ると、問題がおこります。検眼枠のすき間から隠している目で見てしまうかもしれません。
例えば
右目の視力15cm/m・m(手動弁)
左目の視力(1.2)
この患者さんの右目を測るとき、検眼枠をかけて左目隠して測ると、顔を動かしてみようとしたら左目で見えてしまう可能性が出てきます
ただでさえ、手動弁・指数弁を測るときは慣れないからドキドキするのに、反対の目で見てないかどうか気にしながら測るなんて無理!!
・・・ですよね
検眼枠の間から見えてしまったら嫌だなぁ
そう不安になる
遮眼子も隠しかたで隙間ができるからもっと不安・・・・
どうするか?
②患者さんの手で隠してもらい手動弁を測る
手で隠してもらうとき気をつけること
手で隠してもらって測るとき気をつけることは指の隙間から見えないようにすること
そう思うけど、これがけっこう難しい
人間って無意識に「見えない」より「見える」ように身体が反応してしまうんじゃない?
私は、そう思ってます
悪気があったり意図的にじゃない
見える目を自分の手で隠して、見えにくい目で見ようとしたとき無意識に見える目を使いたくなる。
だって普段は見える目で見て生活してるんだもん。無意識に隠している手の指の間に隙間ができる
もちろんしっかりふさいでくれる人もいる。どっちが多いかな。しっかりふさいでくれる人の方が多いのかな
けど
何%かの人は指の隙間から見てしまう
検査をする私は
100%指の隙間から見えないようにしたい!
なので
↑指の部分ではなく
↑手のひらで隠してもらってます
手のひらでこっちの目を隠してくださいね
そう言って患者さんの手を置いてほしい場所にもっていきます
片目を隠してください
だけ言って患者さんに隠してもらうと
ほとんどの人が指で隠します
写真を見て何がダメか考えよう
手で隠してもらうときにやってはいけないパターンを何枚かのせます。何がダメか一緒に考えてね
指の隙間から見える
これは?
見えてます。切れ目とか形はわからないけど指の間から手の動きはわかります
これも見えてます
角度も注意。こうすると隙間ができて少し横を向いたり、手動弁を測るとき検査する人が手を大きくふると隙間から手の動きがわかります
手のひらで隠すときは、隙間ができないように手のひらでしっかりふさぎます
指で隠すとしっかーり力いれて隠しても隙間ができる
お年寄りの手ってまっすぐできなかったりごつごつしてたり、手をパーにすると隙間ができる。そんないろんな人生が詰まった手をしてる
なので指の部分で隠すのではなく、手のひらで隠してもらうのがいい。
手で隠して測るのが難しいときはアイパッチを使います。アイパッチを貼れば確実に片目を隠すことができます。でも、アイパッチは外すとき少し痛いです。
患者さんも何回か手のひらで隠して測ることを説明すると、説明しなくても手のひらで隠してくれるようになります
指数弁・手動弁を一生懸命測っているときに
指の間から見えてないかな
そう考えて不安になりたくない
指数弁の測り方も手動弁と同じ
手動弁を測っていて30cm/手動弁が見えていたら、指数弁がわかるか確認します。
方法は手動弁と同じです
光覚検査もマスターする
手の動きがわからなかった(手動弁が見えない)ときは光を感じることができるかどうかを測ります。
光覚があるかないかを測るときは、原則は「暗室」です。真っ暗な部屋で、明るい光をあてても、まったく明るく感じないというときが光覚(-)です。
なので、検査室のように明るい部屋でペンライトの光をあてたくらいでは正確に測ることはできないと思いましょう。
でも、実際には検査室で測っている施設がほとんどです。今まで検査をしていて光覚があるかないかわかっているときは、検査室で光覚の検査をします。
光覚検査で気をつけること
ダメな例
こんな風に検眼枠をかけたまま、ペンライトの光を患者さんの前でチラチラさせて「光っているのがわかりますか?」とか「明るさ変わりますか?」と聞くのはダメ!!です
検眼枠をかけていたら、ペンライトの光は測っていない方の目でも感じることができます。この場合は完全に片目をふさいだ状態で光を感じることができるかどうかを調べることが大切。
- アイパッチを貼って片目を隠して
- できるだけ明るいペンライトの光で
- 目の上に自分の手をもっていって目を覆うように影を作る
絵が下手すぎてごめんなさい・・・
イメージできるかな。
アイパッチを貼って片目は隠しておいて、自分の手を筒状にします。丸を作る感じ。そのまま患者さんの目に自分の手をひっつけます。患者さんの目の前が少し暗くなりますよね??その状態で、できるだけ明るいペンライトの光を当てて明るさを感じるかどうかを聞きます。
もし光覚(-)の場合、私は
とコメントを書いてます
手動弁・指数弁・光覚がわかったら、あとはアレンジしてOK
視力が手動弁・指数弁・光覚だったときの測り方、少しわかりましたか?
なんとなくわかってきたー
と思ってもらえたら、すごく嬉しいです
なんとなくわかってきたら、あとはケースバイケースでアレンジします
前回も前々回も、ずっと指数弁の人ならわざわざ手動弁から始める必要はないし、光覚(+)の人なら手動弁・指数弁を確認せずに光覚がいつもどおりあるかだけ確認すればいいです。
今回書いたのは初めて視力を測る患者さんに全力で視力を測る方法です
基礎の基礎。
基礎を理解したら、時間短縮・患者さんの負担を減らすためにアレンジしてで短縮できるところは短縮しましょう。
短縮して何かがおかしいとき、基礎がわかっているかどうかの違いがでます
基礎がわかっている人は、どの部分の検査を省略しているかが自分でわかっているので
あれ?なんかおかしいぞ
そう気づいて全力バージョンに戻すこともできる
何事も基礎の理解が大切ですね