予測してから、検査をすることって大切です

働き始めたころに比べたら、少し検査にも慣れてきたかな

乱視を聞くのはまだまだ冷や汗が出るけど、裸眼視力は余裕で測れるようになってきたもんねー。

オートレフとか眼圧は余裕で測れるよ!
眼科で働き始めて半年から1年くらいすると、ある程度検査にも慣れてきて、こんな気持ちが芽生え始めませんか?

「慣れ」はダメですよー
検査がスムーズにできて、検査の説明も上手にできるようになってくることはとてもいいことです。
頑張って毎日検査をしている証拠です。
でも、「慣れ」てくると、マンネリ化してしまいます。

もう少し検査のレベルを上げていきたいなぁ
そう思ったら、検査の「予測→実践→見直し」をしてみることをおススメします
検査を自分のレベル別に整理する
どんな検査でも予測はできます。
まず、どの検査のレベルを上げていくか自分で確認してみます。
レベルアップができる検査です。検査内容を予測してから検査しましょう。検査したあとに、予測通りにできたか自分で振り返ってみましょう。
操作に慣れるまで練習しましょう
検査をする前に、自分で書いたメモに目を通して深呼吸。落ち着いてやってみましょう。イメージトレーニングも大切です。
とりあえず、この段階の検査はあとまわしにします。他のできる検査から取り組みましょう。
検査別レベルの紹介
よくする検査で私が考えたレベルをお伝えします。

あくまで1例ですが、自分でイメージしにくい人は参考にしてくださいね
眼圧検査(オートレフ検査も同じです)
レベル1
眼圧やオートレフがどんな器械で、何を測る検査かわかる
レベル2
普通の人であれば、眼圧やを測ることができる
レベル3
眼圧が高い、彫が深い、視力が悪い人でも眼圧を測ることができる
眼圧を測れないときは、どうして測れなかったのかがわかる
視力検査
レベル1(超初級)
裸眼視力・メガネの視力・コンタクトレンズの視力を測ることができる
検眼レンズは使わずに、視力を測ることができる状態です
レベル2(初級)
乱視はまだ自分で測れないけど、S面を調整して矯正視力を測ることができる
レベル3(中級)
乱視が-1.5Dより少ない場合なら、自分で自覚検査をしながら矯正視力を測ることができる
レベル4(中級)
乱視が多くても矯正視力を測ることができる
レベル5(上級)
矯正視力が出にくいとき、どうして視力が出にくいかレフ値やカルテをみて判断できる
レベル6(上級)
レフが測定できない場合でも、自分で1から自覚的屈折検査で視力検査をすることができる
視力検査をするときにドキドキしなくなっている
メガネあわせ
メガネ合わせは、視力検査中級レベルでデビューするのが理想的
レベル1
小学生や学生の遠く用のメガネを処方することができる
レベル2
大人の単焦点メガネを合わすことができる
レベル3
遠近両用メガネを合わすことができる
レベル4
患者さんの要望によって、どんなメガネをかけるといいか提案することができる
メガネ合わせの経験数が豊富である
レベル5
眼鏡店並みの知識がある
一応書いてみたけど、レベル5はほんのひと握りの人だと思います。
メガネ合わせは、レベル別というよりコニュニケーション力が大切になってきます。
メガネの度数は合っているのに、患者さんは納得してない。
そんなとき、よく話を聞いてみると使い方を間違えていたり、メガネでは解決できないことを患者さんが望んでいるということもあります。
よく話を聞いて
- メリット・デメリット
- メガネをかけるとどうなるか
- どんなときにメガネを使うのがいいか、など
患者さんがわかるような簡単な言葉で説明できる力が必要になってきます。
メガネ処方は、完璧にできるようになった!と思える日はたぶん来ません。
メガネ処方のポイントは、自分が患者さんになったように想像してメガネ処方ができるか、患者さんの生活をどれだけ想像できるか、だと思います。
OCT
レベル1
OCTの検査の意味を理解できる
レベル2
先生の指示通りに撮影ができる
レベル3
固視が悪い人や、小瞳孔の人など、条件が少し悪くても撮影できる
どうしても撮影できない症例もなんとなくわかる
レベル4(上級)
カルテを見て、病名や所見からOCT撮影の意味が理解できる
指示がなくても、ある程度ならOCTが必要かどうか判断できる
ハンフリー
レベル1
ハンフリーはどんな検査なのか理解している
レベル2
正しい姿勢で、測定できる
レベル3
患者さんの視野の状態が把握できて、適切な声かけをすることができる
自分のレベルを把握する
私なりのレベルを書きましたが、意識してほしいのは自分がどのレベルにいるかということです。
職場では、自分のレベル以上のことをしないといけないこともあります。
そんなとき、落ち込む必要はありません。
いい経験をしたなぁー。また自分のレベルが上達したらわかるようになるだろう、くらいで大丈夫。
・自分のレベルより1つ上のレベルに挑戦する
今の自分ができるレベルと、できないレベルをわけておくことが大切です。
- できるレベルのこと
→意識してしっかり練習する - できないレベルのこと
→経験だと思ってしてみる。できなくても落ち込まないこと。
自分がわからなかった、むずかしかったと感じたことすべてを理解してできるようになるのは難しいことです。
予測の方法
具体的な予測の方法ですが、難しく考え込まなくて大丈夫です。
細かいことでもいいので予測して、予測が当たるか実践するんです。
眼圧検査で考えてみます
レベル1であれば、まず、本やインターネットで眼圧がどんな検査か調べて、こんな風に患者さんに説明しよう、と考えます。
そしてレベル2を目指して実践です
結果:

はいはい。
自分の説明で患者さんが不安な感じや疑問がある表情にならなければ、合格です。

患者さんの表情を観察することも大切ですね
でも、説明したときに
結果:

何のために眼圧測るの?
そう聞かれて

うっ
となってしまったら、つぎはどうして眼圧を測るのか説明できるように練習します。
まだレベル3のことを考える必要はありません。
レベル2をスムーズにできるようになるには、検査のときに、患者さんの姿勢を意識することも大切です。
検査をしていればわかってきますが、機械の高さとあご台の高さ、姿勢はとても大切です。
患者さんがのせてから、調整するのではなく、患者さんの身体や身長をみて高さを合わすことを目標にして挑戦してみるのもいい練習になります。
ちょっとしたゲーム感覚でレベルアップできます。
視力検査の場合
- 視力は3/5で視力と判定します。横方向・縦方法もまぜて視力と判定できるか
- 検眼枠のPDは患者さんにあったものを選ぶことができるか
- 例えば0.8を測っていて、患者さんの答えがあいまいすぎてよくわからなくなったとき、1度リセットしてもう1度0.1からポンポンポンと測りなおすことができるか
- カルテとレンズに必死にならずに、患者さんの表情を見ながら検査できるか
- 乱視表を使う手順は理解できているか
- 前焦線・後焦線・最小錯乱円の意味はわかるか
- 等価球面値ってなに?がわかっているか
- 裸眼視力と矯正度数の関係がなんとなくでも理解できているか
- 乱視表の逆転は理解できているか
- 乱視を聞くとき、聞き方や言い方を変えて患者さんに聞くことができるか
- 乱視を聞けないときのあきらめポイントがわかるか

他にも自分で気になったこと、スムーズにできなかったことをレベル別に考えて、レベルが低いと感じるものから、チャレンジしていこう!



達成できそうな目標を決める
これをすると検査レベルがアップします。
はじめは、予測が外れることが多いです。
だって、実践経験がないから。
少ない経験から予測すると、予想と違う結果になることが多いです。

はじめは、予想と違うことがたくさんあります。大丈夫。
予測と違ったときは

どうしてかな?
と考えて、回数をこなすことで、身体になんとなく覚えてくる実体験値みたいなものを上げることができます。
検査はできるだけ、流れ作業にならないように。
いつもと同じ検査方法をこなすだけにならないように。
この方法を意識して繰り返すと、知らない間に

あれ?
ふと自分の成功率があがっていることに気づく日がきます。
はじめから、いろいろなことをしようとするとパンクしてしまうので自分が予測できそうな分野から始めることが大切。
全くの初心者さんは
- 裸眼視力の予想
- 機械の高さと姿勢があっているか
- 正しいPDの検眼枠を選ぶことができるか
少し余裕が出てきたら
- レフをまっすぐ見れる人か?(固視がいいか)
- 視力3/5を横方向・縦方向に気をつけて測れているか
このあたりからはじめましょう。
予測するくせをつけるといいことがあります。

レフをまっすぐ見れる人かな?
そう思ったら、検査の前にカルテのチェックをするようになるし

横方向・縦方向に気をつけて視力を測ろう
そう思えば、乱視が大きくないかな?と度数をチェックしたくなります。

自然にレベルが上がっていくよー

意識するだけで変わってくるから試してみてね
*LINE、Instagram、Twitterしてます。followよろしくお願いします!
コメント