等価球面の計算の法則ー等価球面を極める⑥

等価球面を極める
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等価球面のイメージを何回かに分けてお伝えしています。

前回、自覚的屈折検査の乱視で等価球面するときに、乱視を大きくして等価球面する方法と、乱視を少なくして等価球面する方法をお伝えしました。

今回は、実際に検査でサラッと計算できるように、計算のコツをまとめます。

等価球面シリーズ、余裕があれば①からみてくださいね

最小錯乱円が大きなポイント!-等価球面を極める①
眼科でよく使う等価球面という言葉。乱視度数を調整するときに使います。等価球面する方法は知ってるけどイメージできない。計算苦手という人。最小錯乱円のイメージから等価球面を理解する方法を説明してるサイトです。超初診者さん向けサイトです。

自覚的屈折検査の基礎シリーズもおすすめです

近視・遠視・乱視とピントの位置ー自覚的屈折検査の基礎①-
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前回のおさらい

前回は

自覚的屈折検査をしたとき、レフの乱視と自覚的屈折検査の乱視が違うときはどうやって確かめればいいの?

という話をしました。

自覚的屈折検査の目的は、正しい目の度数を測ること

正しい目の度数を測るために、正しい乱視はレフで測った乱視なのか、自覚で測った乱視なのかを確かめることが大切です。

乱視を減らして等価球面する場合

レフがC-1.0D、自覚がS+0.5D:C-3.0DAx90°の場合

S+0.5D:C-3.0DAx90°が正しいのか、レフで測ったC-1.0Dが正しいのか確かめないといけません。

そんなときに使うのが等価球面です。

S+0.5D:C-3.0DAx90°をC-1.0Dにしたいときは、乱視の幅を狭くします。

C-3.0DとC-1.0Dの差を考えると2.0D

後ろのピントを2.0の半分の1.0D最小錯乱円(1.0D)近づけます。

S+0.5DはS-0.5Dになります。

なので、S+0.5D:C-3.0DAx90°をC-1.0Dで等価球面するにはS-0.5D:C-1.0DAx90°を入れて、見え方を比べます。

手順をまとめます。

乱視度数を少なくして等価球面したい場合
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える

② ①の半分を考える
③ ②の答えを、S面にたす。
④S面はマイナスに動く
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
⑤等価球面、完成
元も乱視C-3.0Dから、変えたい乱視C-1.0Dの差を考えると2.0D
2.0Dの半分は1.0D
1.0DをS+0.5Dに足します。
乱視を少なくして等価球面する場合、後ろのピントが左に動くので、近視は増えて遠視は減ります。
S+0.5Dのピントが位置が1.0D左に動くと、S-0.5Dになります。
完成
S+0.5D:C-3.0DAx90°をC-1.0Dにしたいときは、S-0.5D:C-1.0DAx90°で等価球面します。

乱視を増やして等価球面する場合

レフがC-3.0D、自覚で測った結果はS-1.5 D:C-1.5DAx90°の場合
S-1.5 D:C-1.5DAx90°をC-3.0Dになるように等価球面したい。
この場合、乱視を増やして等価球面します。
乱視を減らして等価球面すると、後ろのピントは右に動きます。
乱視を減らして等価球面する方法と基本的にな考え方は同じですが、後ろのピントが右に動くことが違います。
遠視は増えて、近視は減る

イメージなしの手順で考えると、こうです。

乱視度数を大きくして等価球面したい場合
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える

② ①の半分を考える
③ ②の答えの乱視を、S面にくっつける。
※S面にくっつけると、近視は少なくなって、遠視は強い度数になる
④等価球面、完成
もとの乱視はC-1.5D
等価球面したい乱視はC-3.0Dで差は1.5D
1.5Dの半分量は0.75D
乱視を増やして等価球面したいので、0.75D、S面のピントを右に動かします。
S-1.5Dを0.75D近視を少なくするので、S面はS-0.75Dになります。
S-1.5 D:C-1.5DAx90°をC-3.0Dにしたいときは、S-0.75D:C-3.0 DAx90°で等価球面します。
これが前回の話でした。
詳しくはこちら
自覚的屈折検査をしいるときは、正しい乱視を調べることが目的。レフと自覚の乱視を比べるために乱視は大きくしたり小さくしたりして等価球面する
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等価球面の計算の法則

乱視を少なくして等価球面する方法も、乱視を大きくして等価球面する方法もわかりました。

そこで、今日は計算の方法をまとめます

この2つの度数を見てください。

乱視が大きくなったら、S面はプラスに動いて、乱視が少なくなったら、S面はマイナスに動いています。

乱視が大きくなると、S面の度数はプラスに動く
乱視が小さくなると、S面の度数はマイナスに動く

S面の度数がマイナスに動くと、近視が大きくなって遠視は少なくなる

S面度数がプラスに動くと近視は少なくなって、遠視は大きくなる。
乱視が大きくなるとS面がプラスに動いて、乱視が小さくなるとS面がマイナスに動くという法則があてはまります。

練習問題

法則がわかったところで、スラスラとできるか、練習してみましょう

①S-1.0D:C-2.0DAx90°の乱視をC-1.0 Dにすると?

乱視を小さくしたいので、S面はマイナスに動く。

近視は大きくなる。

S-1.5D:C-1.0DAx90°

②S+3.0D:C-3.0DAx90°をC-2.0DAx90°にすると?

乱視を少なくしたいので、C-3.0DとC-2.0Dの差の1.0Dの半分をS面に加えます。

乱視を少なくしたいので、遠視は少なくなります。

S+2.5D:C-2.0DAx90°

③S-1.0D:C-2.0 DAx90°をC-3.0Dにしたいときは?

乱視を大きくしたいので、S面をプラスに動かします。

S-0.5D:C-3.0DAx90°

④S+0.5D:C-1.0DAx90°をC-3.0Dにしたい

乱視を増やして等価球面したいので、S面をプラスに動かします。

S+1.5D:C-3.0DAx90°

⑤S-0.5D:C-2.0DAx90°の乱視をC-3.0Dにして等価球面したい

乱視をおおっくして等価球面するので、S面をプラスに動かします。

S±0.0D:C-3.0DAx90°

⑥S+0.5D:C-3.0 DAx90°の乱視をC-0.5Dにしたい

乱視を減らすのでS面はマイナスに動きます。

少し計算がややこしく感じ、C-3.0DとC-0.5Dの差は2.5D

2.5Dの半分は1.25D

1.25D、S面をマイナスに動かします。

S面S-0.75D

S+0.5D:C-3.0DAx90°はS-0.75D:C-0.5DAx90°で等価球面できます。

ピントのイメージが頭よぎりながら、度数をみて等価球面がパッとできたらすごい!

乱視が大きいとS面がプラスよりで、乱視が小さいとS面はマイナスよりというイメージは、メガネ処方のときにどれくらい乱視を入れるかと悩んだとき、役に立ちます。

レベルアップめざして、基礎固めをしっかりすることがおススメです。

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視力検査の大切さ(余談です)

来週はハンフリーのときに使う等価球面の話をするつもりですが、その前に少し雑談。

今、話している自覚で視力をはかって等価球面もして比べて

これだ!

そう決まった自覚的屈折検査で調べた目の度数が、すべての眼科の検査の基本になります。

これ、ほんと大切なんですよ。

新人さんや、検査で採用されたスタッフさんに多いのが

視力検査以外の検査にものすごく興味がいくこと

わかります。わかるよ。

見たこともない検査の機械をいきなり測れって言われても、正しく測れているかどうかもわからない。

おまけにOCTや写真、ハンフリーは結果が目に見えるから。

うまく測れてないのが目に見えてわかる。

GPもそう。

見た目に検査が上手くいったかどうかがわかりやすいから、上手くなりたいと興味が出てくる。

したいから検査にも興味がいく

…で、視力検査は?

…むずかしい!!

これはみんなそう思っている

でも

視力って誰でも測れる

正解がわからないけど、なんとなく測れている気もする。

レンズ入れて測ったら(1.0)まで見えたし。

そんなイメージもある

ちがーーーーーーうう!!!

これは、声を大にして言いたいです。

視力検査は眼科の検査の基本です!!

視力検査の度数が正しく測れていなければ、ハンフリーの付加度数も、メガネ合わせの度数も、コンタクト合わせも、斜視弱視治療も、少しづつ、変わってくる。

私はそう思っていて、そして思ったんです。

視力検査って、結果が見えないから、よくわからない。だから、上達がよくわからないよね。

頑張って参考書見ても難しいと感じるし・・・。

眼科で働いているスタッフはいろいろな人がいて、視能訓練士のように目のことに特化して資格を持っている人もいるけど、眼科の受付していて

今日から検査もしてね

そう言われて

何からはじめたらいいの?

そう思っている人も多いはず。

なので

これだけはわかっておこう!!

ということ、このサイトでまとめていおうと思っています。

このサイトは参考書読んでも難しくてわからない超初心者さんが対象です。

参考書や教科書が理解できる人は、そちらの方が詳しいし正しいので、参照書を読んでくださいね。

記事を更新したら、SNSで更新したらお知らせしているので、気軽にフォローお願いします。

まとめ

今日のポイント

・等価球面の計算の法則がわかった
次回の予定
ハンフリーで使う等価球面の話

等価球面って大切なのねー。実際に使えるようにがんばるぞー!

そう思ったら、続きをよんでくださいね。

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