等価球面のイメージを何回かに分けてお伝えしています。

等価球面は知ってたけど、いまいちイメージできないし、いつ使うのかもわからない。
そう思っている人、必見です。

等価球面をイメージできるようになるよー

基本的な使い方もわかるよ
等価球面を極めるシリーズ①はこちら。

自覚的屈折検査の基礎シリーズもおすすめです

前回のおさらい
等価球面シリーズ③で、C面を変えて等価球面するとき、いったん最小錯乱円を考えずに等価球面するイメージを練習しました。
最小錯乱円の位置はそのままで、乱視の幅を狭くするイメージです。
具体的な度数で、もう1度確認します。
C-1.0Dにしたいので、前とうしろのピントの位置を最小錯乱円の方に動かして、乱視の幅を1.0Dにします。
前のピントを最小錯乱円に近づけて、後ろのピントも最小錯乱円に近づけます。
動かす量は、動かしたい乱視量の半分です。
この場合、C-2.0DをC-1.0Dにしたいので、動かしたい乱視の度数は1.0D
前のピントとうしろのピントを、1.0Dの半分の0.5Dづつ、最小錯乱円に動かします。
すると、前のピントとうしろのピントの位置は0.5Dづつ動きます。
前のピントは―2.5Dになって、後ろのピントはS-1.5Dになります。
S-1.0D:C-2.0 DAx90°の乱視を1.0Dにしたら、S-1.5D:C-1.0DAx90°になる。
このイメージ、できるようになればレベルがアップ!です。

計算のちょっとしたコツ
乱視の幅を狭くする方法をイメージできたら、外来で短時間で計算する方法をマスターしましょう。
さっきイメージした、S-1.0D:C-2.0 DAX90°で考えてみます。
でしたね。
元の乱視はC-2.0D
C-1.0Dに変えたい。初めの乱視2.0Dと変えたい乱視1.0Dの差は1.0D。
なので、変えたい乱視度数の1.0Dの半分の0.5DをS面の-1.0Dに足します。
S-1.0Dに変えたい乱視度数の半量の0.5Dを足すと、後ろのピントが左(最小錯乱円の方法)に動くので、S-1.5Dになります。
後ろのピントが最小錯乱円の方に動くイメージは左方法です。
遠視は少なくなって、近視の度数は大きくなります。
S-1.0D:C-2.0DAx90°の乱視をC-1.0Dにすると、C-2.0DとC-1.0Dの差の1.0Dの半分の0.5DをS-1.0Dにたす。
たすと近視は大きくなって、遠視は度数が小さくなる。
S-1.0Dは近視なので、0.5Dを足すとS-1.5Dになる。
そこに、変えたいC-1.0Dと一緒にすると・・・
S-1.5D:C-1.0DAx90°になります。
計算の方法をまとめます。
② ①の半分を考える
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
④等価球面、完成
計算のコツを使って、練習問題をする
等価球面の計算を、計算のコツだけでチャレンジしてみましょう。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
4.0Dの乱視を2.0Dにしたい。差は2.0D
② ①の半分を考える
2.0の半分は1.0D
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
S-0.5Dは近視なので、後ろのピントが左に動くと近視の度数は大きくなる。なので、S-0.5Dに1.0Dを足すと―1.5Dの位置になります。
④等価球面、完成
S-0.5D:C-4.0DAx90°をC-2.0Dで等価球面すると、S-1.5D:C-2.0DAx90°になります。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
元の乱視は2.0D。2.0Dを1.0Dにしたいので、差は1.0Dです。
② ①の半分を考える
1.0Dの半分は0.5D。
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
後ろのピントのS+3.0Dは遠視なので、後ろのピントが左に動くと遠視は網膜に近づくいて、少なくなります。
なので、S+3.0Dを0.5D最小錯乱円に向かって動かすと、S+2.5Dになります。
④等価球面、完成
S+3.0D:C-2.0DAX90°をC-1.0Dで等価球面すると、S+2.5D:C-1.0DAx90°になります。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
元の乱視は3.5D。3.5Dを1.5Dにしたいので、差は2.0Dです。
② ①の半分を考える
2.0Dの半分は1.0D。
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
S-1.0Dに変えたい乱視の半分の量の1.0Dをたします。たすと近視の度数は大きくなるので、S-2.0Dになります。
④等価球面、完成
S-1.0D:C-3.5DAX90°をC-1.5Dで等価球面すると、S-2.0D:C-1.5DAx90°になります。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
元の乱視は4.0D。4.0Dを2.0Dにしたいので、差は2.0Dです。
② ①の半分を考える
2.0Dの半分は1.0D。
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
S+1.0Dに変えたい乱視の半分の量の1.0Dをたします。たすと遠視の度数は少なくなる(網膜に近づく)ので、S±0.0Dになります。
④等価球面、完成
S+1.0D:C-4.0DAX90°をC-2.0Dで等価球面すると、S±0.0D:C-2.0DAx90°になります。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
C-3.0DをC-1.5Dに変えるので、差は1.5Dです。
② ①の半分を考える
1.5Dの半分は0.75D。
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
S+3.0Dに変えたい乱視の半分の量の0.75Dをたします。たすと遠視の度数は少なくなるので、S+2.25Dになります。
④等価球面、完成
S+3.0D:C-3.0DAX90°をC-1.5Dで等価球面すると、S+2.25D:C-1.5DAx90°になります。
① 元の乱視から変えたい乱視の差を考える
C-2.0DをC±0.0Dに変えるので、差は2.0Dです。
② ①の半分を考える
2.0Dの半分は1.0D。
③ ②の答えを、S面にたす。
※たすと、近視は大きくなって、遠視は少なくなる
S+1.0Dに変えたい乱視の半分の量の1.0 Dをたします。S±0.0Dになります。
④等価球面、完成
S+1.0D:C-2.0DAX90°のCを0Dで等価球面すると、S±0.0Dになります。
そうです。
乱視をなくしてしまって最小錯乱円の位置で等価球面する方法も、乱視の度数を変えて等価球面する方法もおなじ考え方で計算できます。
ここまでで、ひと段落です。
基礎の考え方、等価球面の方法がわかりました。
理解できたか、チェックしてくださいね
・度数を見ただけで、乱視度数を変えて等価球面することができる
まとめ
今日のポイント
次回は「視力検査をしていて、自覚で聞いた乱視の度数とレフ値の乱視の度数が違う時」です。

等価球面って大切なのねー
そう感じたら、続きをよんでくださいね。
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