等価球面の計算方法、イメージ化で説明してます。

等価球面の方法はわかったけど、ハンフリーのときは自動入力するし、あんまり関係ないよね
そう思っている人、必見。

等価球面をイメージできるようになると、ハンフリーのときに自分で等価球面できるようになるよー。
今まで、ハンフリーは「自動」でレンズを計算してた人も、自分で計算できるようになるから、見てくださいね。
等価球面シリーズ、余裕があれば①からがおススメです。

自覚的屈折検査の基礎シリーズもおすすめ

前回のおさらい
前回は等価球面を計算する法則の話をしました。
乱視が小さくなると、S面の度数はマイナスに動く

ハンフリーの時は乱視を減らして等価球面することを心がける
等価球面の計算は、ハンフリーをするときにも使います。
ハンフリーは、視力検査で使った矯正レンズを入力すると、自動でどのレンズを入れたらいいか計算して教えてくれます。
でも、自分でも計算できると、すごく便利。
基本的には遠くの矯正レンズと年齢をみて、使うレンズを計算します。(この話は近見付加度数が関係してくるので、また別の機会に…)
近見付加を考えてレンズを計算したら・・・

レンズを3枚入れたいのに、入らない!
こんな場面がおこります。
ハンフリーのレンズホルダーには、レンズが2枚しか入らないんです。
施設によって使っているレンズはいろいろだと思いますが、私の病院では6.0D以上は0.5Dステップで、7.0Dからは1.0Dステップの検眼レンズです。
そこに単品で8.5Dと7.5Dを購入してます。
なので、S-6.0Dより強い度数のレンズは0.5Dきざみ。
ハンフリーの時に

レンズを3枚入れたいのに、2枚しかレンズ入れれない‥。
というときがあって、困ります。
たとえば
S-6.25D:-2.0Ax90°のレンズを入れたいとき
視力検査では
S-6.0D
S-0.25D
C-2.0D
3枚使います。
ハンフリーはレンズを2枚にしないとダメなので、等価球面が必要なのです。
S面を動かして乱視の度数を考える方法
今までは乱視の度数を考えて、S面の度数を考えていました。
S-1.0D:C-3.0DAx90°の乱視をC-1.0DにするとS面は何Dになる?

乱視の差を考えて、その半分の度数、S面を動かしまーす。乱視が減るので、S面はマイナスに動きまーす。

答えはS-2.0D:C-1.0DAx90°でーす
みたいな感じです。
乱視度数が決まっていて、S面を考えていました。
でもハンフリーのときは逆です。

S面の度数をS-6.25 DからS-6.5Dにしたいから、乱視は何D入れたらいいでしょう?
使えるS面の度数が決まっているので、S面を考えてからC面を考えるという質問に変わります。
ハンフリーのときは、S面の度数を決めて乱視を求めるイメージです。
今まで練習した度数で考えてみましょう。
S面の度数をS-1.0DからS-1.5Dに0.5マイナスに動かします。
S面がマイナスに動くので乱視は減ります。
減る量は?
増えたS面の度数の2倍の乱視が減ります。
S-2.0D:C-2.0DAx90°の乱視の幅を1.0Dにしたいイメージ。
イメージ化で考えてみしょう。
はじめの度数イメージはこうです。
S面の度数をS-1.0DからS-1.5Dにするので後ろのピントは0.5D動く。
後ろのピントが0.5D動くので、等価球面すると前のピントも0.5D動きます。
前のピントも後ろのピントも0.5Dづつ動くので乱視の幅は、動いたS面の倍の量の乱視が減ります。
実際に等価球面する手順
S-6.25D:C-2.0Ax90を等価球面してみましょう。
ハンフリーのとき
S-6.00D
S-0.25D
C-2.0D
3枚レンズが入らないので、2枚にするために等価球面します。
自覚的屈折検査で乱視が2.0Dと決定したので、乱視は減らして等価球面します。
乱視を増やして等価球面すると、見にくくなってしまうので、乱視は減らして等価球面します。
乱視は、水色で塗った部分の中で動かすイメージです。
乱視を減らすと、S面はマイナスとプラスどちらに動くかというと…
乱視を減らして等価球面すると、S面はマイナスに動きます。
・使うレンズを球面レンズと乱視のレンズで2枚にしたい。
1枚は乱視のレンズで使うので、S面レンズを―6.00Dとー0.25Dの2枚から1枚になるようにしたらいいですね。
S-6.25よりマイナスのレンズで、1枚になるレンズを探します。
私の病院の場合S-6.0Dの次はS-6.5D
なのでS面レンズはS-6.5D
S-6.25DをS-6.5Dにすると、S面が0.25D動きます。
乱視は0.25Dの倍量の0.5D減ります。
乱視はC-1.5Dになります。
S-6.25D:C-2.0Ax90°をS-6.5Dで等価球面すると、S-6.5D:C-1.5Dになります。
・S-6.5D
・C-1.0D
2枚なので、ハンフリーのレンズホルダーに入ります。

ハンフリーの自動計算じゃなくても、自分で計算できたよー
練習問題
何問か、練習してみましょう
S面の度数をS-6.75DからS-7.0Dにしたいので、S面が0.25D動いています。
S面はマイナスに動いているので、乱視は減ります。
S面は0.25D動いて、動いたS面の量の倍の乱視が減ります。
0.25Dの倍量は0.5D。
0.5D乱視が減るので、乱視はC-3.0DからC-2.5Dになります。
S-6.75D:C-3.0DAx90°は、ハンフリーで使う度数はS-7.0D:C-2.5DAx90°です。
確かめます。
S-6.75D:C-3.0DAx90°の最小錯乱円はC-3.0Dの半量をS-6.75Dに足すので、S-8.25D
S-7.0D:C-2.5DAx90°の最小錯乱円はC-2.5Dの半分の1.25DをS-7.0Dに足すので、S-8.25D
同じ最小錯乱円になるので、合っていますね。
最小錯乱円のもとめかたは、こちらの記事を読んでくださいね。
リンク

こんなにプラスレンズ入れる人、いてる?

いてるよー。水晶体をとってしまって、無水晶体眼になっている人はS+10.0D前後の人がいるよ。眼内レンズを入れてない状態を無水晶体眼というよ。
たまにS面がS+10.0D前後になる人もいるので、計算できるようにしておきましょう。
ハンフリーはS面を自分で決めれるかどうかがポイント
ハンフリーで

レンズを3枚じゃなくて、2枚にしたい。
そう思ったときに大切なことは、S面の度数を自分で決めて等価球面できるかどうかです。
等価球面の方法はわかっていて、乱視を減らすことも増やすこともできるし、S面の度数を変えて何DのC面を入れたらいいかもわかる。
でも、実際にハンフリーの検査のとき

え???S面は何Dにして等価球面したらいいの??
そうパニックになっていては、知識が使えないままで終わってしまします。

もったいないーーー!!
ハンフリーのとき、自分でS面を決めれるように練習しましょう。
S-8.00D
S-0.75D
C-2.0D
3枚じゃなくて2枚にしたい。
乱視を減らして考えるので、S面のマイナスは大きくなります。
検眼レンズをチェックします。
S-8.75に1番近いマイナスのS面のレンズはS-9.0D
S-9.0DにしたいのでC面は何Dにするか考えます。
S-8.75D:C-2.0DAx90°のS面を―9.0Dにするので、S-9.0D:C-1.5DAx90°

S-9.0Dにできましたかー?
S+7.5Dがない場合はS+7.0D

できる人~!

はーい。S+7.75DをS+7.0DにするのでC面は0.75Dの倍の1.5Dを減らして・・・

あれ?C面は―1.0Dですけど…。1.5D減らせません…
はい。この場合はどうしますか?
S+0.25D
S-8.0D

1番近いマイナスのS面は、S-8.0Dかな。
と想像します。

S-7.25DとS-8.0Dでは0.75Dの差があるので、乱視を1.5D減らすのね

あれ?乱視はC-0.5Dしかないわ
注意!乱視を増やして等価球面しない

あれ?S-8.0Dではなくて、S-7.0Dにしたらだめなの?

自覚的屈折検査のときに、S-7.25D:C-1.5DAx90°をS-7.0Dで等価球面すると、乱視を増やしてS-7.0D:C-2.0DAx90°になるって考えたよ。
自覚的屈折検査のときは、正しい乱視がわからないから自覚の乱視とレフの乱視、どちらが正しいかを比べるために乱視を増やしたり減らしたりして等価球面して確かめました。
ハンフリーの等価球面は自覚的屈折検査の等価球面と意味が違います。

自覚的屈折検査のときは、乱視を決めるために等価球面する。だけど、ハンフリーのときは、ちゃんと測れている乱視を等価球面するイメージ
自覚的屈折検査で度数を決定した乱視を等価球面するときは、乱視は減らして考えます。
水色の中で等価球面するイメージです。
等価球面するとき、視野検査のときには乱視を増やして調整してしまいたくなる時があるから気をつけてください、と等価球面シリーズ③(リンク)で書きました。

練習問題①
もう少し練習してみます。
S面を大きく動かして等価球面するときは、遠視がすごく大きいときか近視がすごく大きい場合です。
S面はS-10.0D、S-11.0D、S-12.0D・・・を使うことができます。
この場合も、乱視を減らして考えるのでS面は1番近いマイナスのS面にするか、乱視を抜いて等価球面するかのどちらかになります。
S-10.25Dに1番近いS面の度数はS-11.0D
S面が0.75D動いたので、乱視は倍の1.5D減らします。
S-11.0D:C-0.5DAx90°
乱視を抜いてしまう方法だと、乱視の半分をS面に足して、S面はマイナスに動かします。
C-2.0Dの乱視の半分は1.0D
S-11.25D
もとの度数のピントに近い方がいいので、S-11.0D:C-0.5DAx90°を採用します。
イメージで考えると、度数のイメージがこうです。
はじめの度数である、うしろのピントと前のピントに近いS-11.0D:C-0.5DAx90°を採用します。
練習問題②
S-14.0Dがなくて、S-13.0Dの次はS-16.0D。
この場合の等価球面は何Dをいれますか。
乱視を減らして等価球面するとS-14.5Dになります。
S-13.0D
S-1.5D
2枚になって、等価球面完成です。
このとき、乱視を増やしてS-13.0D:C-3.0DAx90°は入れません。
まとめ
今日のポイント

なんとなく、等価球面の計算方法と使い方がイメージできてきた気がする!
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