裸眼視力と矯正度数の関係を考える

視力検査
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眼科で視力検査をしているときの素朴な疑問

同じS-3.0Dでも、裸眼視力って患者さんによって違う気がする

たしかに、そのとおり!人によって違う。だけど、裸眼視力と矯正の関係の目安はあるよ。

人によって同じ矯正度数なのに、裸眼視力が違うことがあります。

目安になる裸眼視力と矯正の関係のお話です。だいたいの感覚を理解して裸眼視力を測ることが大切です。

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裸眼視力と矯正の関係

裸眼視力は目の度数によってかわります。

私が参考にしている裸眼視力と矯正の関係

・裸眼視力0.1でS−3.0D
・裸眼視力0.3くらいでS−2.0Dくらい
・裸眼視力0.5〜0.6でS−1.0Dくらい
・裸眼視力0.7〜0.8くらいでS−0.5Dくらい

裸眼視力が0.1で矯正はS-3.0Dが1つの基準

S-2.0D、S-1.0D、S-0.5Dと裸眼視力の関係は、私の今までのだいたいの感覚です。

視力と処方箋の読み方|メガネのホシノ

この表のイメージです。

「S-3.0D」って何?という方は次の記事を参考にしてくださいね

https://hatenatome.com/myopia-hyperopia-astigmatism/
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度数から裸眼視力が0.1以下か0.1以上か予測する

視力を測るときは3つに分けて考えます

  • 0.1以上の視力→視力表で測る
  • 0.01~0.09の視力→手持ちの字ひとつ視力表で測る
  • 0.01が見えないとき→光覚、手動弁、指数弁

レンズを入れて測る視力=矯正視力が(1.0)とよく見える人の場合、矯正視力を測るときは視力表を使います。

LED視力表 ミルカⅡ|イナミ

裸眼視力を測るときは?

裸眼視力は目の度数に関係しています。

なので、目の度数から裸眼視力を予測して測ることが大切です。

目の度数がS-1.0Dであれば、視力表を0.1から0.2、0.3・・・と測っていけばいいし、目の度数がS-8.0Dの人であれば視力表の0.1は見えないので、字ひとつ視力表をもって0.01から測ります。

目の度数がS-2.0Dの人⇒視力表を使う

目の度数がS-3.0Dの人⇒視力表の0.1を見せて見えれば0.1、0.15、0.2を確認。目を細めて見る仕草があれば字ひとつ視力表で0.01から順番に測る

acworksさんによる写真ACからの写真

0.1を見たとき、こんな感じで目を細めていたら手持ちの字ひとつ視力表で0.01から視力を測ることをおススメします。0.1の答えが正解しても、0.01から測ります。

目を細めて見える視力は視力ではありません。

目を細めてやっと0.1が見えても、0.01から測ると裸眼視力は0.08の時があります。

0.1以下の視力を測る方法
0.1が見えないとき、5mの位置から患者さんに近づて測る?患者さんの前から遠ざかって測る?視力は「見える」ところから「見えない」ところに測るのが基本です。0.1以下の視力を測るのに欠かせない字ひとつ視力表の使い方もマスターしよう!

この記事で0.1以下の視力は、遠くから近づいて測るのではなく、確実に見える近くの視力から測りはじめて、少しづつ離れて測るのがいいと書きました。

目の度数と裸眼視力の関係をしっておく理由は裸眼視力が0.1見えない度数の場合、初めから手持ちの字ひとつ視力表を使って測る必要があるからです。

例えば、度数がS-4.0Dとき。

裸眼視力は0.1はないと思う。0.06とか0.08とか?たまに0.1見える人もいるけど。

そう思いますね。

視力の大原則は見えるところから見えないところに測って「見える」と「見えない」の境目を決めることです。

なので、測るときは字ひとつ視力表を持って0.01から測ります。

たまたま0.1が見えたらそこで終了します。

0.01から測ると裸眼視力0.07だけど、視力表の0.1を見せたら切れ目がわかった。

なんで?結局、裸眼視力はどっち?

という困ったことになるのは、いきなり0.1を見せると「がんばれば見えそう」な人は目を細めて頑張って答えたくなるからです。

人間ってそんなもんですよね。「見える」方がいいから。

0.1がまったく見えない人は「視力表の1番上なんて見えない」と言いますが、「頑張れば見える」人に0.1を見せると頑張ってみてしまうのです。

逆に頑張らないで見える0.01から見せると
「(ハッキリ)見える」
「(ハッキリ)見える」
「・・・さっきより見にくいな」となり「(ぼやけて)見えない」と感じます。

ほんとうの裸眼視力を測ることができます。

視力は「ハッキリ見える」場所から少しづつ「見えない」のはどこかを探すようにします
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裸眼視力と矯正の関係は、矯正視力を測るときにも大活躍

この裸眼視力と矯正の関係は、レンズを入れて矯正視力を測るときにも大活躍します。

症例1(練習問題)

例えば・・・オートレフがS-5.0Dの人 矯正視力は(1.2)

裸眼視力は手持ちの字ひとつ視力表で0.01から測って、0.05。

つぎはレンズを入れて矯正したらどのくらい見えるのか、目の見る力を測ります。

S-5.0Dの人にS-3.0Dを入れます。この状態で裸眼視力を測るとどのくらい見えるか予想します。

S-5.0Dの人にS-3.0D入れたので、残りはS-2.0D。S-2.0Dの近視が残っている状態ですね。

S-2.0Dなら、だいたい0.2か0.3くらい?

そう思って測ります。

ほんとうに0.3だったら

予想的中!

矯正視力は(1.2)なので、もう少しレンズを入れていきます。

S-3.50D 視力(0.5)
S-3.75D 視力(0.6)
S-4.00D 視力(0.8)

ここで、気づけるかどうか!!です

おや?S-4.0D入れて(0.8)も出たよ。本当にS-5.0DならまだS-1.0D残ってるから視力は0.6か0.7くらいなはず・・・

なるほどー!!もしかしたら、S-5.0Dより少ない近視かもしれない

そう思いながら測れたら最高です。

結果S-4.5Dで(1.2)出ました。

よし!!予想どおり!!

これですね。この感覚が私は好きです。

予測して、実際に測って、予測通りならそれでよし。予測と違う結果になれば、何が違ってたのか考える。必要であればもう1かい検査をしてみる。

地味な作業ですが、この繰り返しが検査を上達させると思います。

症例2(練習問題)

もう1つ。例題です。

オートレフの値がS-1.0D

裸眼視力はどのくらいと想像しますか?

0.6か0.7くらい?

裸眼視力を測ってみると、1.0

予測した裸眼視力と違います。この意味は?

わかった!矯正視力はS-1.0Dも入らないってことね。裸眼視力が1.0まで見えているんだから、入ってもS-0.25Dくらいかな。

予想していたS-1.0Dという度数を予想しなおします。

矯正度数はS-1.0D⇒S-0.25Dに変更

S-0.25Dのつもりで、測ります。矯正度数は予想したS-0.25Dより少しプラスよりから測るので、S+1.0Dから入れます。

S+1.0Dから0.25Dづつマイナスにレンズを動かしていって、S-0.25Dで(1.2)になれば、終了。

まとめ

裸眼視力と、矯正の関係

・裸眼視力0.1でS−3.0D
・裸眼視力0.3くらいでS−2.0Dくらい
・裸眼視力0.5〜0.6でS−1.0Dくらい
・裸眼視力0.7〜0.8くらいでS−0.5Dくらい
視力は「ハッキリ見える」場所から少しづつ「見えない」のはどこかを探すように意識する
予測して、検査して、検査の途中でまた予測する。結果と予測があっているか、考えながら検査をするクセをつける。
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