乱視表って何?
乱視表はこの表のことです。視力検査の時に使います。
目の度数は遠視・近視・乱視のレンズを使って測ります。
乱視がある目は、少し楕円形のようになっているので、近視だけ、遠視だけを矯正するレンズでは、ピントを網膜にあわすことができません。乱視は、乱視表と乱視用のレンズを使って検査をします。
(*クロスシリンーを使って調べることもできます。私は乱視表を使うので、この記事では乱視表のお話をします)
遠視のレンズ(プラスレンズ)はゴールドで、近視のレンズ(マイナスレンズ)はシルバーです
乱視レンズは軸の位置に印がついてます
乱視のレンズはレンズセットの真ん中あたりにあります
乱視のレンズには軸があります。
こんな風に検眼枠に入れて使います。
この写真の場合、乱視レンズの軸を90度に入れているので、軸は90度です。
乱視表は濃い薄いを聞き出すことがポイント
乱視表は濃く見える線(場所)と薄く見える線(場所)をできるだけ正確に聞き出すことがポイント
どうして?ただ濃い薄いを聞くだけじゃだめなの?
乱視表を使って乱視を測るときは、逆転の1つ手前のレンズを採用すると決まっているからです。
あやふやだと、逆転の位置がずれてしまいます。
例えば・・・
どこが濃いですか?と聞いて
全部同じ濃さだよ
そう言われたら
乱視はないの?
少しだけ、濃いとか薄いとか、、、ないですか?
聞いてみると
言われてみれば、ちょっと横が濃いかな…
と答えてくれる場合があります。しっかり聞き出しましょう。
横が濃い
→乱視のレンズを入れる(C-0.5D)と同じ濃さになった
→さらに乱視の度数を増やす(C-0.75D)と縦が濃くなった(逆転)
この場合、縦が濃くなった乱視のレンズの1つ弱い度数の乱視度数を採用します。つまりC-0.5Dです。
乱視を測る流れ
乱視検査の流れを簡単に確認しましょう。(レフが測れる前提です)
1.裸眼視力を測ります
2.レフ値や前回値を参考にプラスよりのS面を入れます
3.S面だけで出る最高視力を測ります
4.予想する乱視の半分の度数をS面に足します(雲霧)
5.乱視表を使って乱視を聞きます(今日はこの工程の見え方イメージの話です)
5-1濃い薄いを聞きます
5-2逆転するまでC面を入れます
5-3逆転の1つ手前のレンズが乱視の度数です
6.乱視が決定したら視力検査表に戻って、S面を調整して最高視力を出します。
ざっと流れを書いてみました。施設によって方法は違うこともあると思いますので、参考程度にしてくださいね。
慣れてきたら、患者さんによって省略できるところは省略しましょう。時間短縮につながります。
乱視の濃い・薄いのイメージ
乱視表の濃い・薄いってどんなイメージでしょうか?
横が濃いときのイメージはこれです
横が濃くて、縦が薄い状態です。
濃い方向の見え方
・濃く見える
・細く見える
・しっかり見える
・点々がつながりかけている
・点々が少ない
薄い方向の見え方
・薄く見える
・太く見える
・ボヤけて見える
・点々がたくさん見える
・点々が多い
乱視のレンズはどうやって使う?
乱視のレンズには印がついています。
この印を軸といいます
乱視のレンズは軸方向には度数は入っていなくて(ゼロ)で、軸と反対方向に度数が入っています。
軸を入れる方向は
・薄い方向と同じ方向
・濃い方向とは反対(逆)の方向です
実際の聞き方
教科書には「乱視表の濃い、薄いを聞きます」とだけ書かれている場合が多いです
実際、どうやって聞くの?聞いてもみてもぜんぜん中和もしないし、やっぱり乱視表苦手…
私が、普段している乱視の聞き方を紹介するので、参考にしてみてくださいね
その前に、クイズです。
この場合、横が濃くて、縦が薄い
縦(90°)方向です
乱視検査の実際の方法
私が乱視検査の時にしている声掛けの方法を紹介します
参考程度にしてくださいね。
縦と横、どっちが濃いですか?
少し線が細く見えている方向はどっちですか?(どこですか?)
横が細くて濃い→濃い方向とは逆の縦に軸を入れます
濃い・薄いで答えにくいとき
線が細いのはどこですか?
線が太いのはどこですか
線が細い→濃い
線が太い→薄い(軸を入れる)
再現性(何回しても同じ結果になるか)の確認ですね
点々がある乱視表の場合
点々が少し伸びて、線に近くなっている方向→濃い
点々がブツブツ切れて少し太くなっている方向→薄い(軸を入れる)
点々がたくさんプツプツプツと見えている方向→薄い(軸を入れる)
患者さんは濃い方向の方が答えやすい
乱視の軸は、薄く見える方向と同じ方向に入れます。
なので、検査をしていると
薄い方向を患者さんが答えてくれたら、検査しやすいよね
こう思いますね。
でも濃い方向の方が答えやすい人が多いです。
乱視の軸は濃い方向と逆に軸を入れると覚えよう!
乱視を聞くのに最適な乱視表はどれ?
乱視表といっても、何種類かあります。
ここからは、興味がある人だけ読んでください。
さて、クイズです。どれが1番乱視を検査するのに向いている乱視表でしょうか?
1.点々(dot)で書かれている。番号が1~6で書かれていて、線の間隔は15°刻み。
2.点々(dot)で書かれている。番号が1~6で書かれていて、線の間隔は10°間隔
3.点々(dot)で書かれている。番号は1~12で書かれていて、線の間隔は10°
4.点々(dot)で書かれていない。番号は1~12で書かれていて線の間隔は10°
5.線で書かれていて、番号なし。半円分しか書かれていない
個人的には1がおすすめ!!
1は点々でできていて、間隔が10°刻みなので1番使いやすい!でもあんまり、使われていないのかもしれませんね。実際は3の乱視表を使っている施設が多いんじゃないかなと思います。
今使っている乱視表が3だからといって乱視が聞けないとわけではありません。
・乱視表といっても、全部同じではなく、種類がある。
・その全体像から自分の施設の乱視表はどのくらいの精度があるものなのか
このあたりのことを考えて検査をするとまた検査への理解が深まるんじゃないかなと思っています。(要は、検査のあきらめポイントがわかりやすくなります)
1か2の乱視表がある人は練習あるのみです。乱視はかなりの確率で聞けます。3の乱視表の人は完璧には聞き出しにくいかも、と思ながら検査をする必要があります。
線の乱視表や12表示の乱視表は、やはりそれだけで乱視を検出するのは難しいです。理由は逆転の位置が聞き出しにくいから。
乱視の検査は、逆転の1つ手前のレンズを採用すると決まっています。
なのに、逆転はここ!!が聞だしにくい。
乱視表での乱視の検査は、中和してすぐの逆転の位置を探して、中和に戻って乱視検査は終了します。
なのに、線の乱視表と12表記の乱視表は、ざっくりと逆転の位置を聞くので、乱視を入れすぎてしまいます。
このイメージを頭に描いて3の乱視表の人は
・乱視は中和したら終わりにする
・でも乱視は全量聞けていないことを意識しておく
ことが大切かなと思います。
この感覚が、メガネ合わせの時に必要になってきます。
教科書に書かれているメガネ合わせの方法は乱視を全量引き出せているという前提のもとに書かれているので、ケースバイケースで、アレンジが必要になってくるかなと思います。
こればっかりは、経験と試行錯誤に頼るしかないですが。正解はありません・・・。
最後に
最後まで読んでくれてありがとうございました。
今日のメインは乱視表の濃い薄いの聞き方です!参考にしてもらえれば、うれしいです。
なにごとも、とりあえずまねをして言ってみる、実践してみる。
うまくいかなかったら、また考える!で少しづつ前に進みましょう
何事も気楽にいこう
まずは真似から始めてみよう