眼科の問診のコツ

その他の目の検査
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眼科で初めて来た患者さんや、定期健診の患者さんをお呼びして、まず初めにするのが問診

今日はどうされましたか?

定期検査の方は

変わりないよー

ちょっといつもよりかすんで見にくいわ

涙がよくでる

こんな答えをカルテに書いて、オーダーされている検査を始めます。

でも初診の患者さんは

まったく情報がない状態

そんなとき、これくらいは聞いておいた方がいいかな、と思う眼科問診のコツをまとめてみました。

眼科、初診者。イマイチ何を聞いたらいいかわからなくて、いつも患者さんが言うことだけをカルテに書いてる、という人は参考にしてみてね。

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問診で何を聞くか

初めて眼科に来た患者さんには、まず問診表を書いてもらいます。

書かれた問診表をもとに患者さんに話を聞きます。

聞くこと
A.目の症状
B.過去の目の病気
C.身体の病気
D.できれば家族歴 など
A.目の症状

①いつから?

  • 昨日から
  • 1ヶ月前から
  • 3~4前から
  • 1年くらい前から、など

問診のコツは、具体的にどれくらい前からかを聞くことです。

いつからですか?

いつからかなぁー。わからんなぁー

患者さんが、いつから症状があるかハッキリ答えることができなくて、悩んでしまったとき。

自分も無言になって、患者さんの答えをじーっと待っていてはいけません。

患者さんが言葉に詰まったら、すぐに具体的な期間を言いながらもう1度質問します。

だいたいでいいですよ。1~2週間くらい?1ヶ月?3ヶ月?半年くらい前ですか?

こんな風に、具体的な期間を言うと答えやすくなります。

うーん。そやなぁー。だいたい1~2か月くらい前かなぁー。

いつから症状が始まったのかを聞く目的は…
・急に始まったことなのか
・少しづつ進行してきた症状なのか

急に始まったのか、少しづつ進行しているのかを知りたいので、きっちり3ヵ月前なのか、4ヵ月前なのか、を知りたいわけではありません。

昨日から急に見えなくなった

なんとなく3年くらい前から見にくい

同じ「見にくい」でも、違う感じがしますね。

患者さんと自分の「ずっと前」が同じ感覚でありません。

具体的な数字で答えてもらうとことで、患者さんと同じ感覚を持つことができます。

私の「ずっと前」は「3ヵ月」でも、患者さんが言ってる「ずっと前」は「5年前」。

Aさんは「1年前」を「ずっと前」と言って、Bさんは「10年前」を「ずっと前」と言う。

お互いのイメージ違いはよくあることです。

具体的な数字で答えてもらうと、先生・検査員・患者さんで共通のイメージができて間違いや勘違いが少なくなる

余談ですが、検査の時に

急に昨日から見えない!!

と言ったのに、実は白内障で

急に…って…。前からでしょー?

と思うことも時々あります。

でもそれでいいんです

患者さんが感じていることを「そのまま」「具体的に」聞いてカルテに書くことが大切です。

私が経験したことですが、急に昨日から見にくいと言ってきた患者さん。

視力を測ると0.01です。

これは大変!

でも結果は白内障でした。

おばあちゃんは、和式のトイレに入ったとき、たまたま右目の視線が便器で遮られた状態になって

見えへん!!!と気づいた。

気づいたのが昨日だったということでした。

こんな場合もあります。

 

お医者さんは、目の状態と患者さんの話を聞いて目の状態を判断します。

私たちの役割は、患者さんの言うことを具体的に聞いて、みんながわかる共通のイメージの言葉を使ってカルテに記載すること。

 

②どんな症状?

  • 見にくい
  • かすむ
  • かゆい
  • コロコロする
  • 目が赤い
  • 目やにがでる
  • 黒いものが飛ぶ
  • まぶたが腫れている

少し難しい言葉で書くなら、こんな感じ。

  • 見にくい→視力低下、視力低下感
  • かゆい→掻痒感
  • コロコロする→異物感、違和感
  • 目が赤い→充血、結膜下出血
  • 目やにが出る→眼脂
  • 黒いものが飛ぶ→飛蚊視
  • まぶたが腫れている→麦粒腫、霰粒腫、まぶたの腫脹

問診のコツは、患者さんが言ったことばを聞いて簡潔にまとめて書くことです。

 

③どちらの目?

右眼・左眼・両眼

どちらの目に症状があるのかも確認します。

患者さんと向き合って話している場合、患者さんの右目は自分から見ると左側の目になるのでややこしくならないように注意します。

患者さんの右目と左目がややこしい!を克服する
眼科で働いてると、簡単なようでちょっとわかりにくい。混乱しちゃうそう思うのが右目と左目の区別です問診するとき、視力検査のとき、患者さんとスタッフは向かい合っている場合が多い。なので、向かって左は患者さんの右目、向かって右は患者さんの左目にな

 

④(コンタクトレンズ希望の場合)使っているコンタクトレンズの種類や度数。

コンタクトレンズ希望で来た患者さんへの問診のコツは

  • コンタクトレンズは初めて?
  • 今、コンタクトレンズを使っている?
  • どんな種類のレンズ?(ハード・ソフト・2週間交換タイプ・1日使い捨てタイプ、など)
  • いままで、コンタクトレンズをしていて、何かトラブルはあったか

など、使っているコンタクトレンズの種類や度数、今までコンタクトレンズでトラブルがあったか、などを問診で聞くといいですね。

種類や度数がわかると、コンタクトレンズを処方するときの参考になります。

 

⑤その他

目が充血して涙がでて、朝起きたら目やにがベッタリ…。

はやり目について|青葉台 スマイル眼科クリニック

こんな場合、はやり目などのウイルス性の結膜炎の可能性がありますね。

あれ?

そう思ったら、周りに同じように目が赤い人がいないか、のどが痛い、熱がある、など、かぜの症状がないかも聞いてみましょう。

はやり目疑いの場合、検査はせずに診察に早めに先生にまわしている施設がおおいんじゃないかなと思います。

患者さんが触れたところの消毒も忘れずに行います。

 

B.過去の目の病気

今までに目の病気をしたことがありますか?

今までに眼科に行って、目の病気があると言われたことがあるか確認します。

  • 5年前に〇〇眼科に行って、ちょっと白内障があると言われた。
  • 毎年、この季節には目がかゆくなって、眼科に行って薬をもらう。
  • 3日前に、〇〇眼科に行ったけど、なかなか治らないから来た。
  • ここ10年以上、眼科には行ってない。
  • 5年前から、3か月に1度〇〇眼科に通っている。次は来月にいく予定。
  • 3年前に右目の白内障の手術をした。
  • 緑内障と言われて〇〇眼科に通っているけど、遠いから…病院をかえたい。
  • 10年ほど前に、目にレーザーをしたことがある。でも詳しくは覚えてない。

など、患者さんから聞いた情報をカルテに書きます。

 

使っている目薬はありますか?

眼科に通っている人なら、使っている目薬があるか確認します。

お薬手帳や目薬を持ってきてくれている人は、助かりますね。

目薬の情報と点眼している回数をカルテに書きます。

目の病気や目薬の情報がわかったら、右目か左目、どちらの目の話かも確認することを忘れないようにします。

 

C.身体の病気

身体の病気はありますか?

何か、身体のお薬を飲んでいますか?

目の病気と体の病気は関係しています。

お薬を飲んでいたり、内科やほかの科にに通院していないかも確認します。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脳梗塞
  • 心臓
  • 喘息
  • 高脂血症
  • 腎臓
  • 肝臓
  • アレルギー など

薬の情報があれば、チェックします。

先生にみてもらえるようにカルテに挟んでおいてもいいですね。

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意外と忘れる右・左のチェック

よーし!何を聞けばいいかもわかったし、頑張って問診きくぞー!

そんな、新人さんのお話です。

まだ眼科で働き始めのころ、少し慣れてきたところで

問診、1人でしてみる?。

はいっ!

緊張しながら問診してました。

問診のあと、カルテに書いてるのを見てみると…

んんんー。ちょっと足らんよね?

・いつから?
・右目・左目、どちらの目が?

 

「今日はどうされました?」と聞かれて、患者さんは

目がかゆいんです

そう答えたんだと思います。

問診をするときのコツは、そのあと

  • いつから?
  • どっちの目が?

情報を患者さんから聞き出すようにします。

頭ではわかっていても、実践していかないとなかなかスラスラ問診はできないものです。

自分の知識不足でうまく聞けないこともあるし、患者さんの話がまとまっていないことも多いので、頭の中で患者さんの話をうまく理解しないといけない。

患者さんの話を聞きながら、必要な情報を聞きだすことは、初めは難しいです。

すこしづつ、慣れていきましょう

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なぜか問診を簡単に終わってしまう人が多い

これは私の個人的な意見です。

個人的には

「目がかすむ」

そう問診表に書かれていたとき

  • いつから
  • どっちの目

この2つは聞くと思います。

これ2つだけ聞いてカルテに書く




終わり

この問診にはちょっと違和感を感じます。

もうちょっと聞こうよ

かすむといっても

  • どんな風に?
  • 遠くを見たとき?近くをみたとき?
  • 朝も夜も?夕方になるとかすむ?
  • 急にかすんできた?徐々にかすんできた感じ?
  • 外に出るとかすむ?部屋の中でもかすむ?

疑問はドンドン出てきます。

「かすむ」と言えば白内障を思い浮かべる場合が多いですが、原因は白内障だけではありません。

  • メガネは使っているのかな?
  • 使っているなら、どんなメガネを使ってるのかな?
  • 糖尿病はないのかな?
  • 糖尿病があるならお薬の治療かな?インシュリンしてるのかな?

しつこく聞くのもよくないですが、思いつくことは手早く聞き取りをして、カルテに記載できることも、検査上達のために必要なスキル。

意識して練習してみるといいですね。

病院によって、問診を誰がするかは変わってきます。医師が問診をすると決まっている、個人情報の問題、目の状態だけをサラッと聞くように指導されている、など病院の決まりがある場合はルールに従ってください。

患者さんが問診表に書いた内容を問診すると思うので、問診表の内容を見ながら、詳しく聞くとスムーズに問診ができます。

最後に・・・

診察が終わったカルテは見直すことも大切です。

見直すと、患者さんの状態が深くわかってうれしくなるときもあります。

もっと、〇〇と聞けばよかったなぁー

次の問診のときは、こういうことも聞こう

など、次の問診につなげて、問診のコツを自分でつかんでいくことが大切です。

問診には、コミュニケーション力も大切。専門知識だけじゃなくて、コミュニケーション力も高めることができたら最高です。(目標)

 

問診力がアップすれば検査力もアップするので、問診をドンドン聞いてもいよーという病院で働いている人は、問診力アップしてみてくださいね。

次回の予定
・問診から視力を想像する
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