最小錯乱円が大きなポイント!-等価球面を極める①

等価球面を極める
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  • 自覚的屈折検査をしているとき
  • 眼鏡あわせをしているとき
  • 視野検査のとき

いろんな場面で頭の中にうかんでいるのは等価球面

レフの値と自覚で測った乱視が違うんですけど

等価して確認してみてー

ハンフリーのとき、矯正レンズが3枚になって入らないときは・・・

等価球面して入れたらいいよー

眼鏡あわせって、乱視は矯正した度数そのまま入れていいの?

等価球面して調整したらいいよー

こんな感じ。

等価球面は重要なポイントです。

眼科の検査で等価球面はよく使うけど、計算しないといけないので頭が混乱しがちです

検査しながら、そんなこと考えるのムリー!!

そう思った人。

「等価球面を極める」シリーズ読んでね

このサイトは視能訓練士の資格はないけど、眼科に就職したら「検査お願いね」と言われて

ドキドキしてる。困ってる。

そんな超初心者さん向けに説明してます。

教科書とは少し違う方法ですが

この方法ならわかるかも!

そう思ったら「等価球面」シリーズ、ぜひどーぞ。

時間があれば、「自覚的屈折検査の基礎」シリーズから読んでくれた方がわかりやすいのでおすすめです。

近視・遠視・乱視とピントの位置ー自覚的屈折検査の基礎①-
眼科で視力検査をしているけど自覚的屈折検査の意味がよくわからないという超超初心者さんむけ。近視・遠視・乱視と目のピントの位置を解説しています。自覚的屈折検査は目のピントの位置を意識して測ることが大切。まずは近視・遠視・乱視のピントの位置を理解しよう!
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最小錯乱円をイメージする

自覚的屈折検査の基本となる最小錯乱円。

最小錯乱円の話は自覚的屈折検査シリーズでも書いていますが、イメージのおさらいをします。

前焦線とか後焦線とか、強主経線・弱主経線など難しい言葉を覚えなくても、前のピント後ろのピント前と後ろのピントの間が最小錯乱円。これだけわかれば大丈夫です。

乱視のピントの位置と最小錯乱円ー自覚的屈折検査の基礎②-
乱視とピントの位置をイメージして、最小錯乱円もイメージしてみよう。教科書の内容とはすこし違いますが、もっともっと簡単にして乱視のピントの位置と最小錯乱円の位置をイメージ化してみました。自覚的屈折検査に基礎シリーズpart2。

S-1.0D:C-2.0DAx90°で考えます。

S-1.0D:C-2.0DAX90°の意味は、近視の度数が1.0Dあって、乱視が2.0Dある、ということです。

ピントのイメージをイラストにするとこう。

網膜に近い後ろのピントの位置がS-1.0Dで、もう1つのピントの位置が乱視度数と同じだけ離れた場所になるので、S-3.0D。

前のピントと後ろのピントのあいだにできるのが、最小錯乱円

最小錯乱円は前のピントと後ろのピントのちょうど真ん中にある

この場合の最小錯乱円の度数はS-2.0D

では、最小錯乱円の度数をイメージする練習をします。

最小錯乱円の練習問題

①S-1.0D:C-1.0DAx90°の最小錯乱円の位置は?

S-1.5D

②S+3.0D:C-2.0DAx90°の最小錯乱円は?

S+2.0Dです。

③S+1.0D:C-1.0DAx90°の最小錯乱円の位置は?

S+0.5D

④S+2.0D:C-3.0DAx90°の最小錯乱円は?

S+0.5D

つぎからは、少し難易度を上げて、イメージ図なしでできるかチャレンジです。

⑤S-2.0D:C-1.0DAx90°の最小錯乱円の場所は何D?

S-2.5D

⑥S-0.5D:C-0.5DAx90°を最小錯乱円の場所は?

S-0.75D

⑦S+1.0D:C-0.5DAx90°の最小錯乱円は?

S+0.75D

⑧S+3.0D:C-1.0DAX90°の最小錯乱円はどこにあるでしょう?

S+2.5D

⑨S±0.0D:C-1.0DAx90°の最小錯乱円の場所はどこですか?

S-0.5D

⑩S+0.5D:C-1.0DAx90°の最小錯乱円はどこにできますか?

S±0.0D

度数の式をみて最小錯乱円の位置をイメージできたらOK。

最小錯乱円イメージのコツは、乱視の半分の量をS面に足すこと。足すとピントは手前(左)に動きます。

S面に乱視の半分の量を足すとピントは手前に動くので、近視の度数は強くなって遠視の度数は少なくなります。

最小錯乱円の場所がイメージできれば、等価球面は簡単です。

なぜなら・・・

最小錯乱円の位置=乱視をS面だけで等価球面するときの度数だからです!

そうだったのー?S面の等価球面って最小錯乱円と関係してたの?

目の中のピントの位置なのか、検眼レンズの話なのか、細かくはちがいますが気にしなくて大丈夫。

最小錯乱円と等価球面はまったく違う話ではなくて、同じ話だったんだ

そう気づけたら十分です。

次の項目でもう少し詳しく話ますね。

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乱視は最小錯乱円の場所で見ている

等価球面には、最小錯乱円のイメージが大きく関係します。

S-1.0D:C-2.0DAx90°の最小錯乱円はS-2.0Dです。

乱視は、最小錯乱円の場所で見ています

つまり

S-1.0D:C-2.0D Ax90°を、乱視のレンズを使わずに測るなら、S面のレンズは何D入れる?

そう聞かれたらS-2.0Dが正解です

乱視のレンズを使っていないので、見え方はS-2.0Dのほうがボンヤリになって視力も下がります。

でも見ているピントの位置は同じです。

S-1.0D:C-2.0AX90°と

S-2.0Dの見ているピントの位置は同じ

S-1.0D:C-2.0DAX90°を乱視のレンズを使わずに、S面だけで矯正するとS-2.0D

等価球面は見ているピントの場所が同じレンズのこと
ということは、最小錯乱円のイメージができれば、等価球面もわかりやすくなります。
やっぱり基本は最小錯乱円。
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等価球面値と等価球面置換法

等価球面には2種類あります(私もあまり意識してなかった・・・)

  • 等価球面値
  • 等価球面置換法

強主経線と弱主経線の屈折度の平均値を等価球面度spherical equivalent(弱主経線の屈折度に円柱レンズ度の1/2を加えた値)という。参照|目でみる視力・屈折検査の進めかた

等価球面置換法:円柱レンズを装用に耐えれるまで弱め、弱めた円柱レンズの1./2に相当する度数を球面度数に加える方法である。この方法は、最小錯乱円を網膜上にもってくる目的で行う。参照|目でみる視力・屈折検査の進めかた

簡単にいうと

  • 等価球面値は乱視をS面だけで矯正した度数
  • 等価球面置換法は、乱視の度数は違うけど最小錯乱円の位置は同じ度数になるようにする方法

実際に検査をしているときは、等価球面値と等価球面置換法の区別はあまりしていません。

検査のときに飛び交う言葉や、頭のなかで想像しているイメージは

等価したら〇〇になる

 

とにかく等価するというイメージ

等価してー

そう言われたら

乱視とS面の度数を変えて、最小錯乱円は同じ位置のレンズを探して―

という意味です。

「等価球面する」は、最小錯乱円の位置が同じ位置のレンズを見つけること

等価球面という言葉の意味も考えてみると・・・

  • 等価=同じ値
  • 球面値=球面(S面)が。

乱視の度数が違っててもいいから、S面だけにしたときに同じS面値になるようにしてー

ということです。

・乱視をS面だけで等価球面すると、最小錯乱円の度数と同じ
・乱視の度数を変えて等価球面するときは、最小錯乱円の位置が同じレンズを考える

S面だけで等価球面する

等価球面するといっても、さっき書いたように乱視がある度数をS面だけで等価球面する場合と、乱視の度数を調整して等価球面する方法があります。

まず、S面だけで等価球面する方法を考えます。

最小錯乱円の場所がイメージできれば、大丈夫。

最小錯乱円の位置が、S面だけで等価球面したときのS面の度数です。

乱視をS面だけで等価球面すると、最小錯乱円の位置がS面の度数になる

最小錯乱円のときに考えたイメージで、S面だけで等価球面するなら何Dになるか考えてみましょう

①S-2.0D:C-1.0DAx90°をS面だけで等価球面したら何D?

S-2.5D

②S+2.0D:C-1.0DAx90°の等価球面をS面だけで考えましょう。

S+1.5D

③S+0.5D:C-1.0DAx90°の等価球面をS面だけでするなら何Dになりますか。

S±0.0D

④S-2.0D:C-3.0DAx90°の等価球面は?S面だけで答えましょう。

S-3.5D

⑤S+5.0D:C-1.0DAx90°をS面で等価球面しましょう

S-4.5D S+4.5D

⑥S-0.75D:C-0.5DAx90°をS面だけで等価球面するなら何D?

S-1.0D

最小錯乱円の位置がS面だけで等価球面するときの度数です

計算のコツは、乱視の半分の量をS面に足すことです。足すと度数はマイナスに動きます。近視の度数は大きくなって遠視の度数は少なくなります。

乱視を調整して等価球面するは次回のテーマ

乱視をS面だけで等価球面する方法は、乱視が少ないときに使う多いです。

だた・・・

乱視の度数が大きい時や、乱視を全部ぬいてしまわなくてもいいというときは、乱視の度数を減らして等価球面する方法を使います。

乱視の度数が違うけど、最小錯乱円の位置が同じになるレンズを探すのです

あたま混乱しそうーーー!!

ですね。

大丈夫です。

慣れます。

1度に詰め込もうとするとパンクしますので、次回のテーマにします。

まとめ

今日のポイント

・等価球面は最小錯乱円の位置がポイントだとわかる
・S面だけで等価球面してと言われたら、イメージできるようになってきた
次回の予定
・乱視の度数を調整して等価球面する・初級編
次回は、まずは最小錯乱円を基本に考えて等価球面するイメージをつかみます。

ちょっとづつ、なんかつながってきたー!

そう感じたら、続きをよんでくださいね。

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コメント

  1. RN より:

    https://hatenatome.com/blog/2020/06/23/equivalent-spherical-surface-1/

    のページの⑤についてですが、S+4.5の間違いでしょうか?

    ⑤S+5.0D:C-1.0DAx90°をS面で等価球面しましょう

    S-4.5D

    気になりましたのでご質問いたしました。